佐久間製菓とサクマ製菓の違いとは?赤缶・緑缶の真相と現在を徹底解説
2022年秋に報じられた「ドロップの老舗が廃業」というニュースは、日本中に大きな衝撃を与えました。しかし当時から現在に至るまで、「あの緑の缶や『いちごみるく』も消えてしまうのか」「近所のスーパーで今も普通に見かけるのはなぜか」と混乱している声は後を絶ちません。
実は、かつて日本の菓子市場に存在していた「佐久間製菓」と「サクマ製菓」は、名前こそ酷似しているものの完全に別の法人です。缶の色、刻まれた商品名、さらには昭和初期の戦争を契機とした分裂劇に至るまで、両者には明確な分岐点が存在します。2026年現在の最新状況を踏まえ、両社の決定的な違いと歴史の真相、そして現在の販売ルートを詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:廃業したのは「赤缶」の佐久間製菓(2023年1月廃業)。「緑缶」や「いちごみるく」を手がけるサクマ製菓は現在も健在。
- 要点2:ルーツは明治時代の同一企業。太平洋戦争による壊滅後、元経営陣や社員によって別々に再興され法廷闘争を経て分裂した。
- 要点3:映画『火垂るの墓』に登場したのは佐久間製菓の「サクマ式ドロップス」。緑缶の「サクマドロップス」は今も全国で購入可能。
【決定的な違い】佐久間製菓とサクマ製菓は別会社!赤缶と緑缶の見分け方
佐久間製菓とサクマ製菓を見分ける最も確実なポイントは、「缶のベースカラー」「商品名に含まれる『式』の有無」「ラインナップされている味」の3点です。
漢字表記の佐久間製菓が製造していたのは、赤色を基調としたレトロなデザインの「サクマ式ドロップス」です。缶の中央に大きく「式」の文字が配され、映画やアニメの描写でも広く親しまれてきました。一方、カタカナ表記のサクマ製菓が現在も製造しているのは、鮮やかな緑色を基調とした「サクマドロップス」であり、商品名に「式」の文字は入りません。
中身のフレーバー構成にも明確な差別化が図られていました。両社共通の定番味(イチゴ、レモン、オレンジ、パイン、リンゴ、ハッカ)に加え、以下の固有フレーバーが存在します。
・サクマ式ドロップス(佐久間製菓/赤缶):「チョコ味」「スモモ味」を含む8種類
・サクマドロップス(サクマ製菓/緑缶):「メロン味」「スモモ味(※時期により異なる)」を含む8種類
特に「ドロップを舐めていてチョコレート味が出てくる楽しさ」は、赤缶のサクマ式ドロップスならではの特徴として親しまれていました。
なぜ2つに分裂したのか?戦前発祥から裁判に至る歴史の真相
両社の歴史を遡ると、源流は明治41年(1908年)に創業された「佐久間製菓株式會社」という単一の企業に行き着きます。創業者の佐久間惣次郎氏は、それまで外国産が主流だったドロップを日本人の手で国産化することに成功し、独自の製法から「サクマ式ドロップス」と命名しました。
しかし、昭和の太平洋戦争が事態を一変させます。砂糖の配給制限や原材料不足、さらには空襲による工場被災が重なり、会社は昭和19年(1944年)に営業停止と実質的な解散へと追い込まれました。
終戦後、日本の復興とともにドロップの再興を目指す動きが2つの異なるルートで同時に勃発します。
1つは、創業者の三男・佐久間不二男氏や旧経営陣が中心となって昭和23年に立ち上げた会社(後の佐久間製菓)。もう1つは、戦前の旧会社で専務取締役を務めていた横倉信太郎氏らが中心となり、同じく昭和22年に設立した会社(後のサクマ製菓)です。
双方が「正当な後継企業」を主張して商標権をめぐる激しい法廷闘争へと発展しました。裁判所の最終的な調停により、「佐久間製菓は『サクマ式ドロップス』の商標を用い、社名に漢字を使用する」「サクマ製菓は『サクマドロップス』の商標を用い、社名にカタカナを使用する」という形で決着が図られ、2つのサクマが共存する時代が幕を開けました。
佐久間製菓が廃業した本当の理由と世間の反応|『火垂るの墓』赤缶の終焉
およそ70年以上にわたり並立してきた両社ですが、2022年11月、佐久間製菓が「2023年1月20日をもって廃業する」旨を発表し、大きな激震が走りました。
廃業を決断した主な要因は、複合的な経営環境の悪化です。近年のお菓子市場において、若年層を中心にグミやタブレット菓子、機能性キャンディへの嗜好シフトが進み、昔ながらの缶入りハードキャンディの需要は長期的な漸減傾向にありました。
加えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴う観光・土産物需要の急減、さらには砂糖をはじめとする原材料価格や包装用ブリキ缶資材、エネルギーコストの記録的な高騰が直撃。佐久間製菓は赤字が常態化し、設備投資の回収が困難であると判断して自主廃業という道を選択しました。
スタジオジブリのアニメ映画『火垂るの墓』において、幼い節子が愛用したドロップ缶がまさにこの赤缶「サクマ式ドロップス」だったこともあり、ネット上では「昭和の象徴がまたひとつ消える」「節子のドロップが買えなくなる」といった惜別の声が溢れました。廃業直前には各地の店頭で買い占めが発生し、フリマアプリ等で高額転売される事態も生じるなど、社会的な反響を巻き起こしました。
『いちごみるく』は買える?サクマ製菓の主力商品と会社概要
佐久間製菓の廃業時に多くの消費者が懸念したのが、「あの『いちごみるく』もなくなってしまうのか?」という点でした。
結論から言うと、『いちごみるく』は現在も全く問題なく販売されています。なぜなら、いちごみるくを製造・販売しているのは廃業した佐久間製菓ではなく、現在も堅調に事業を継続しているサクマ製菓だからです。
昭和45年(1970年)に誕生した『いちごみるく』は、三角形の可愛らしいフォルムと「サクサク噛めるクランチ構造」で大ヒットを記録し、サクマ製菓の屋台骨を支えるメガヒットブランドとなりました。現在では『れもんこりっと』や『抹茶みるく』など多彩なスピンオフ商品も定着しています。
サクマ製菓は現在も東京都目黒区に本社を置き、長野県浅間工場などを拠点に精力的な商品開発を展開しています。緑缶の「サクマドロップス」はもちろん、人気アニメやキャラクターとのコラボ缶、季節限定フレーバーなどを積極的に投入し、デジタル時代の新しいファン層を獲得しています。
【2026年最新】サクマドロップスは今どこで買える?現在の販売状況と入手ルート
2026年現在、ドロップを買い求めたい場合、両製品の入手難易度には決定的な差があります。
【緑缶:サクマドロップス(サクマ製菓)】
現在も全国の流通網で極めて手軽に購入できます。
・全国の主要スーパーマーケット(菓子売り場)
・大手コンビニエンスストア(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン等)
・ドラッグストア、ディスカウントストア(ドン・キホーテなど)
・大手100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥ等※袋入りタイプや小型缶など)
・Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング等の主要ECサイト
【赤缶:サクマ式ドロップス(佐久間製菓)】
2023年1月の工場稼働停止および廃業に伴い、一般小売店での新品流通は完全に終了しています。現在入手するには、コレクターによる二次流通市場(ネットオークションやフリマサイト)を探すしかありませんが、賞味期限の切れたヴィンテージ品・記念品としての取引が中心となっています。
【佐久間製菓 サクマ製菓 違い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:佐久間製菓が廃業したのに、近所のスーパーで今もドロップが売られているのはなぜですか?
A1:現在店頭に並んでいるのは、営業を継続しているサクマ製菓の「サクマドロップス(緑缶)」です。廃業したのは「佐久間製菓(赤缶)」であり、別会社であるサクマ製菓の製品は今も通常通り製造・出荷されています。
Q2:『火垂るの墓』に出てきたドロップ缶は、どちらの会社のものですか?
A2:映画の中で節子が持っていたのは、廃業した佐久間製菓の「サクマ式ドロップス(赤缶)」です。過去にはジブリ公認の復刻版デザイン缶なども同社から販売されていました。
Q3:サクマ製菓の「いちごみるく」や「緑缶ドロップス」の製造が終了する予定はありますか?
A3:終了の予定はありません。サクマ製菓は現在も黒字経営を維持しており、主力商品である『いちごみるく』や『サクマドロップス』は安定して供給されています。
Q4:赤缶と緑缶で、味に違いはあったのですか?
A4:ありました。どちらも8種類のフレーバー構成でしたが、赤缶(佐久間製菓)には「チョコ味」が入っていたのに対し、緑缶(サクマ製菓)には「メロン味」が入っているなどの違いがありました。
まとめ:100年の歴史が紡いだ2つのサクマと未来へ続く物語
明治期に誕生したひとつの国産ドロップから端を発し、戦後の混乱と再興、そして商標争いを経て2つの道へと分かれた「佐久間製菓」と「サクマ製菓」。
時代の荒波と嗜好の変化によって赤缶の「佐久間製菓」はその長い歴史に幕を下ろしましたが、その精神と伝統は、緑缶や『いちごみるく』を手がける「サクマ製菓」によって令和の現在も脈々と受け継がれています。缶を振るとカラカラと小気味よい音が鳴るドロップ缶の魅力は、これからも日本の菓子文化のアイコンとして愛され続けていくはずです。 (出典: 佐久間製菓 サクマ製菓 違い(Yahoo!ニュース))